退職の記録

【退職日記21】奴隷編~二度と関わりたくない(後編)

こんにちは。ヘル太郎です。懐いてた近所の野良ネコがぱったり姿を見せなくなってしまいました。数日前に弱弱しい姿を見て以降、近所の間でもどこに行ったのか、ひょっとして死んでしまったのかなどど噂しています。このにゃんこ、元々は野良ではなく数件隣の老夫婦の飼い猫だったんですがご夫婦が認知症で入院してしまい、世話する人間がいなくなって野良になってしまった可哀そうなやつ。餌をあげたり寝床作ったりとまあ少しだけ適当に世話焼いてたのでけっこう情がありまして(管理人は動物大好き)。野良なんてたくさんいるし飼えるわけでもないのにそこまで心配するのは偽善かなと思いつつなんだかなあとモヤモヤする今日この頃であります。

 

続きです。

前回記事でまともな設計書が出来なかった原因の一端が顧客側にあったことを書きました。当事者意識&能力がないのために担当者はまともに打ち合わせに来ないばかりかシステムを分かっていないので的なハズレなことばかり。いやはや困ったもんです(。´・д・)。

 

◆前回記事はこちら↓
SIer 体験記その0: SIer 絶滅作戦開始
SIer 体験記その1: 5ヵ月連続過労死ライン超え
SIer 体験記その2: 僕たちは奴隷じゃない
SIer 体験記その3: 30分でできるわけねーだろがっ!
SIer 体験記その4: それ、うちの仕事じゃありませんから
SIer 体験記その5:二度と関わりたくない(前編)

 

★諸注意★

この連載記事の内容は実体験をもとにしていますが管理人の主観で記載されています。必ずしも事実とは限りませんのでその前提の上お読みください。

 

 

トンチンカンなコンセプト

コンセプト

 概念。観念。
 創造された作品や商品の全体につらぬかれた、骨格となる発想や観点。
-デジタル大辞泉より引用-

 

車にありますよね、コンセプト。

スピード重視の車、大人数が快適に過ごせる車、燃費性能を追求した車・・・

車にコンセプトがあるようにシステムにもあります。今回であれば顧客の仕事のやり方に合ったシステムのコンセプトというものがあり、そのコンセプトに沿って設計する必要があったわけです。コンセプトは “システムが欲しい側” すわなち顧客が出します。当たり前ですよね。自分達が使いたい、こういうものが欲しいと思ってるハズなので。え、どーせ今回のプロジェクトではなかったんだろって?いやいやちゃんとありましたよ?コンセプト。ただし相当にとんちんかんなコンセプトが・・・・

 

とある家族と車屋さん

こんなお話があります。古くなった車を買い替えようと考えている家族とその家族に新し車を売ろうとしている車屋さんのお話。

 

奥様:ダーリン、この車維持費がちょっと高いんじゃないかしらん?
旦那:そうかいハニー?じゃあもっと “安いやつ” に買い替えよう!
息子:新しい車買うの!?
娘子:パパ大好き!
旦那:はっはっは、パパに任せておきなさい♪

 

情報を聞きつけたFモーターズ部長は(やる気のない)営業部員に提案活動してこいと指令をします。

 

部長:ヘル君、”例の家族” が車の買い替えを検討しているらしい!
ヘル:はあ・・(あそこの家族には関わりたくないんだよな)。
部長:そこで、だ。わが社のスーパーイケてる車、FUJI2号を売ってこい!FUJI2号は我がFモーターズの一押しカー!最近流行りの機能満載、旦那様もえらくご興味を示しておられる!
ヘル:え?でもあれってかなり運転難しいやつじゃあ( ̄◇ ̄)?
部長:旦那様は とにかく安くして欲しい との仰せだ。
ヘル:(聞いちゃいねぇ・・)維持費考えたら逆に高くつく可能性ありますけど?
部長:そこで提案活動の費用は削減する。お前1人で行ってこい。
ヘル:は?僕あれ売ったことありませんけど?
部長:大丈夫だ、始めは”センパイ”と一緒にやらせる。
ヘル:あの人午前中来ないでしょうが。
部長:S課長もつける!
ヘル:売ったことある人連れてきてくださいよ。誰かいるでしょ?うちの会社(図体だけは)大きいし。
部長:(うちの部に来たいなんて)そんなやつはおらん
ヘル:自分で理解してないもんをどうやって売れと?
部長:いいからとにかく行ってこい!
ヘル:(゜◇゜)え~~~・・・

 

配属されたばかりのヘル君、どういう仕組みで動くかよく分かってないのに新型のFUJI2号を売ってこいと部長から無茶ぶりかまされてしまいます。ものすごーくとっても行きたくないヘル君。が、悲しいかな、彼はしがないサラリーマン。明日の糧を得るためにはやむ得ません。付け焼刃ですがとりあえず FUJI2号を勉強して旦那家に向かいます。トボトボ。

 

旦那:とりあえず燃費はこれくらいがいいな!
ヘル:旦那様、FUJI2号はあまり燃費はよくありません。
旦那:そうなのか?じゃあ良くしたまえ。
ヘル:(無茶言うなよ)無理です。元々そういう風にできてませんので・・・
旦那:なんだと!?もうハニーに言っちゃったぞ!
ヘル:でしたらこちらのプリ〇スなんかは・・・
旦那:ダメだ!もうFUJI2号にするって言っちゃったんだから!
ヘル:ですが FUJI2号のコンセプトは燃費ではありませんので・・・
旦那:どうする気だ!来週ハニーに説明するんだぞ!
ヘル:そんなこと言われましても(お前が勝手に言ったんだろ・・)
旦那:来週までにハニーが納得する資料をきみが作って持ってきたまえ!
ヘル:旦那様がご自分で約束したことでは?
旦那:資料に売りが”燃費”だとしっかりアピールして書いてこい。
ヘル:(だから)無理です(って言ってだろーが)。
旦那:こっちは車を買ってやるんだぞ!いいから持ってこい!
ヘル::(゜◇゜)え~~~・・・

 

理不尽な要求を突き付けられたヘル君。旦那様の要求とコンセプトがあっていないと何度も説明しても分かってもらえません。困ったヘル君は部長に助けに求めます。

 

ヘル:部長、かくかくしかじかです。
部長:そうか?がんばりたまえ。
ヘル:無理ですよ。そもそもコンセプトが全く違います。奥様のご希望は実現できませんよ?(こいつ売り物ちゃんと理解してんのか?)
部長:売れればいいじゃん。
ヘル:そもそも旦那様は奥様以外のお子様たちの要望をきちんと把握した上で欲しいと言ってるとは思えませんが。もう一度ご家族の要望を再確認してもらうべきでは?それも私ではなく旦那様ご自身が(家族が使う車を他人に確認させてどーすんだよ)。
部長:んーでも旦那様急がしいって言っててさー。
ヘル:資料も書きようがありません。燃費が良くない車をいいように見せかける資料を作ることになるんですよ?(どっかの建設会社がやってたこととえらく変わらんがな)
部長:売れればいいじゃん。
ヘル:いずれバレると思いますが。。後で奥様やお子さん達が困ったことになりますよ?課長、それでいいんすか?
課長:・・・・・・・
ヘル:課長?(相変わらず賛成も反対もしねーな)
部長:売れた後で考えればいいじゃん。とりあえず売ろうよ?
ヘル:・・・・・(もうダメだこいつ)

 

もはや逃げるしかない

なんて可哀そうな営業部員なんでしょうね。あんなところからは一刻も早く逃げ出して幸せになって頂きたい。ちなみに彼は別にプリウ○ス好きなわけではない、と思います。いえなんとなく。

 

さて、関係ない話はこれくらいにして本筋に戻りましょう。今回は顧客システムのクラウド化です。組織によってクラウド化する目的は様々ですが目的がクラウド化のメリットと合致しなければ意味がありません(クラウドのメリット云々をここで書くと長くなるので省きます)。例えば RVのような車。高馬力のエンジンを搭載して山道でも力強く走れることがメリットですが燃費はあまり期待できません※1。基本的に馬力と燃費はトレードオフの関係、つまり両立しないからです。また20人乗りのマイクロバスの場合。これは大人数を一度に運べるのが売りですが、機動性、快適性、走破性といったものは二の次。間違っても悪路の山道をマイクロバスで走る、なんてことを考えて作られてるわけではありません (どっかの国では乗車率300%とかで山道走ってるらしい・・)。このように車に特性があるようにクラウドシステムにもクラウドならではのメリットや特性があるのです。※1 RVだからといって燃費が悪いとは限りません。あくまで一般論です

そして今回顧客の出していたコンセプト。クラウドと全く合いません。燃費が悪くて車を買い替えようとしている人に対して RVを提案するようなもんです。顧客が利用者(及びお偉方)へ説明しているクラウド化のコンセプト(メリットといってもいい) が実際のクラウド化で実現できるメリットと全く合わないのです。このトンチンカンなコンセプトのおかげで管理人はじめSIer は地獄の苦しみを味わうことになりました。顧客お偉方への説明資料はSIer であるF社が作られされる羽目になっていたので(そう、どこかの気の毒な営業部員のように!)、このチグハグなコンセプトをもとにシステム化のメリットを説明しなければならなかったからです。ランド〇ルーザーみたいな車を用意されておいて、奥様に「これで家計の年間ガソリン代は○円節約できます!どうですか!素晴らしでしょう!?」と説得してこいと言われるようなもんです。無茶を通りこして無理です。どこの世界に燃費がいい車欲しくてランクル買うアホがいるのものか(いや探せばいるかもしれないなあ。管理人が相手にした方々のように)。

結果どうなったのか?以前の記事で書いたように膨大な労力をパワポ作成に費やしたあげく設計が1㍉たりとも進まない、という事態になったわけです。SIer4名の 労力だけでも相当な金額を費やしてます。これに子社、孫社の工数を考えたらF社は信じられないお金をつぎ込んだわけですよ、システムに1㍉たりとも寄与しないパワポ作成のために(いや1㍉くらいは寄与したかな?)。

なんでこんなことが起こるのか。顧客担当者がシステム、とくにクラウドシステムというものを全く理解してなかったから。つまり馬鹿だったからです。少しでも(クラウドについて)勉強してればこんなチグハグなコンセプト出てくるわけがありません。ITリテラシーの欠如もいいところです(3月から勉強した管理人ですら少しは理解したのに)。

お客さん、けっこうな組織規模です。頭いい人沢山いましたね(担当の方はいい大学出てました)。が、システム設計・運用に関しては顧客情報部は素人みたない人達でした。勉強する気がないのか時間がないのかはたまた勉強しなくてもできると思っていたのか。いずれにせよ理由は関係ありません。なにせ自分達が使うシステムなわけですから

さらに問題なのが SIerであるF社側に適任転嫁してくることです。自分達が的外れなコンセプトを作っておいてそのコンセプトに合わせて資料を作れと無理難題を吹っ掛けたあげく、出来が悪いと延々と資料修正させてメーカーから本来作業である設計時間を奪っておきながらシステム要件を作れなかった自分達の怠慢&能力不足を棚にあげて設計が出来てないと難癖をつけ、極めつけは作ったやつが悪いとばかりに出来上がったポンコツシステムのクレームと後始末をF社に押し付ける。いわく ”システムの使い勝手が悪い?ああ、あれはF社が作ったから”と(管理人は本当に辞めて良かった。目の前でそんなこと言われてたら絞め〇してしまいそうです。私は犯罪者になりたくない)。

ここまで来るともはや管理人と意思疎通は不可能な次元です。F社の先輩は無茶ぶり星の住人ではありましたが管理人と意思疎通は可能でした。が、これはムリ。リームーです。全力で逃げ出すしかありません。なんせ相手はキ〇ガイ。常識が通用しません。自分達がどれだけ理不尽なことを言ってるか自覚すらしていない可能性あります(いやきっとそうに違いない)。

しかし悲しいかな、管理人に退路なぞありません。なぜなら顧客に寄り添う」がSIerの絶対的価値観、逃げるなど言語道断!そもそも「逃げ出す」などという言葉はSIerであるF社に存在しないのです!

わが軍に退路などない! ( ・`ω・´)キリッ. !

 

つづく

 

 

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